【PostgreSQL】文字列から数値型への変換方法を解説

PostgreSQLでは、データ型の変換が頻繁に必要になる場面があります。例えば、文字列として保存された数値を計算に利用する場合や、数値データを文字列形式で整形して表示する場合です。しかし、これらの変換を適切に行わないと、エラーが発生したり、意図しない結果を生む可能性があります。

この記事では、PostgreSQLで文字列を数値型に変換する方法、逆に数値型を文字列に変換する方法について、それぞれの具体例や注意点を交えながら解説します。

初心者や中級者の方まで、すぐに実践できる内容になっておりますので、ぜひ参考にしてください。

PostgreSQLのデータ型について

PostgreSQLにはさまざまなデータ型が用意されていますが、文字列型と数値型は最もよく使用されるデータ型の一つです。それぞれの特徴を簡単に確認してみましょう。

文字列型

TEXT
制限なく文字列を保存できる型です。データ量が多い場合や可変長の文字列を扱う際に便利です。
例: 'Hello World'

VARCHAR
最大長を指定できる可変長文字列型です。指定された文字数を超えるデータを保存しようとするとエラーになります。
例: VARCHAR(50)

数値型

INTEGER
整数を格納するための型で、一般的な数値データに利用されます。
例: 123

このように、データ型にはそれぞれ特徴があるため、適切に選択することが重要です。続いて、具体的な変換方法について見ていきましょう。

文字列から数値への変換

PostgreSQLでは、文字列型データを数値型に変換する方法として、CAST 関数や :: 演算子を使用します。この変換を正しく行うことで、文字列として保存された数値を計算や比較で活用できるようになります。

CAST 関数を使用する方法

CAST(文字列 AS 数値型) の形式で変換を行います。

SELECT CAST('123' AS INTEGER) AS int_value;
SELECT CAST('456.78' AS NUMERIC) AS numeric_value;

:: 演算子を使用する方法

PostgreSQL独自の書き方で、文字列::数値型 の形式で記述します。CAST より短く書けるため、よく利用されます。

SELECT '789'::INTEGER AS int_value;
SELECT '123.45'::NUMERIC AS numeric_value;

注意点:変換エラーに対する対処

文字列に不正な値(例: 'abc'や空文字列)が含まれている場合、変換時にエラーが発生します。このようなケースでは事前に対策を講じる必要があります。

変換可能な値をフィルタリングする

REGEXP_MATCHESを使って、数値として有効な文字列のみを選択します。

SELECT CAST(value AS INTEGER) 
FROM sample_table
WHERE value ~ '^\d+$';

CASE文で例外を処理する

不正な値を NULL などに置き換えることで、エラーを回避します。

SELECT 
    CASE 
        WHEN value ~ '^\d+$' THEN CAST(value AS INTEGER)
        ELSE NULL
    END AS int_value
FROM sample_table;

数値から文字列への変換

PostgreSQLでは、数値型データを文字列型に変換する場合もCAST関数や::演算子を使用します。また、数値を特定のフォーマットで表示したい場合には、TO_CHAR関数が便利です。

CAST 関数を使用する方法

CAST(数値 AS 文字列型)の形式で変換を行います。

SELECT CAST(123 AS TEXT) AS text_value;
SELECT CAST(456.78 AS VARCHAR) AS varchar_value;

:: 演算子を使用する方法

PostgreSQL特有の簡略記法で、数値::文字列型の形式で記述します。

SELECT 789::TEXT AS text_value;
SELECT 123.45::VARCHAR AS varchar_value;

特定のフォーマットを適用する方法

TO_CHAR関数を使用すると、数値を文字列に変換しながら特定のフォーマットを適用できます。これは、金額や日付などを整形して表示したい場合に非常に便利です。

基本的な使用例

SELECT TO_CHAR(12345, '99999') AS formatted_value; -- '12345'
SELECT TO_CHAR(123.456, '999.99') AS formatted_value; -- '123.46'

ゼロ埋めを行う場合

SELECT TO_CHAR(7, '0000') AS zero_padded; -- '0007'

カンマ区切りや通貨記号を付ける場合

SELECT TO_CHAR(1234567.89, 'FM$999,999,999.00') AS currency_value; -- '$1,234,567.89'

まとめ

この記事では、PostgreSQLで文字列を数値型に変換する方法、また数値型を文字列に変換する方法について解説しました。それぞれの手法には、CAST関数や::演算子といった基本的な方法から、TO_CHAR関数を用いたフォーマットの適用まで、さまざまなアプローチが存在します。

データ型の変換は、PostgreSQLを使いこなす上で非常に重要なスキルの一つです。今回紹介した方法を活用して、データ処理の効率化や分析の幅を広げてみてください。特に、データの正確性を保つためにエラーハンドリングを取り入れることを忘れないようにしましょう。

最後に、この記事がみなさんのPostgreSQLの理解を深め、日々のデータ操作をよりスムーズにする助けとなれば幸いです。

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