【Oracle】コミットしない場合どうなる?挙動などを検証

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Oracleデータベースを使って開発や運用をしていると、「データを更新したのに反映されていない?」と感じる場面に出くわすことがあります。その原因のひとつに「コミットしていない」ことが挙げられます。

この記事では、「Oracleでコミットしない場合、実際にどのような挙動になるのか?」について、実際の例や注意点を交えてわかりやすく解説していきます。

初心者の方にも理解しやすい内容を目指していますので、これからOracleを学ぶ方も、ぜひ参考にしてみてください。

コミットの役割について

Oracleをはじめとするリレーショナルデータベースでは、「トランザクション」という単位でデータの整合性を管理しています。トランザクションとは、一連の処理をひとまとめにして「すべて成功したら反映」「どこかで失敗したら取り消し」といった判断を行う仕組みです。

たとえば、銀行の振込処理を考えてみましょう。口座Aからお金を引き出し、口座Bに入金するという2つの操作は、どちらか一方だけが行われると整合性が取れません。このような場面で、2つの処理を1つのトランザクションとして扱うことで、確実に一貫性を保つことができます。

トランザクションの完了を明示するために使うのが COMMIT(コミット)です。COMMIT を実行すると、それまでに行った変更がデータベースに確定され、他のユーザーからも参照できるようになります。

一方で、ROLLBACK(ロールバック)は、トランザクション中の変更をすべて取り消す命令です。間違った更新をした場合などに使います。

なお、ツールによってはSQL実行時に自動的にコミットされる設定になっていることもあるため、自動コミットの有無にも注意が必要です。

Oracleでコミットしなかった場合の挙動

Oracleデータベースでは、INSERTUPDATEDELETE などのデータ変更操作を行っても、COMMITを実行しない限り、その変更は“仮の状態”として扱われます。では、コミットしないままだとどうなるのでしょうか? 以下に主な挙動を紹介します。

自分のセッションでは変更が見える

まず、変更を行った自分のセッションでは、コミット前でも更新後のデータを見ることができます。つまり、UPDATE後にすぐ SELECTしても、変更内容は確認できます。

他のセッションからは見えない

一方で、他のユーザーやセッションからは、コミットしない限りその変更は見えません。これはOracleの「読み取り一貫性」の仕組みによるもので、トランザクションが確定するまでは他のセッションには影響を与えません。

セッションを終了するとロールバックされる

もっとも重要なポイントがここです。コミットしないままSQL*Plusやアプリケーションを終了すると、Oracleは自動的にロールバックを行います。 つまり、それまでの変更内容はすべて取り消され、元の状態に戻ります。

このように、Oracleでは「コミットしなければ確定しない」「セッション終了で取り消される」という性質を持っているため、明示的な COMMIT の実行がとても重要です。

実際に試してみる(SQL例付き)

ここでは、実際にOracleの挙動を確認するためのシンプルな例を紹介します。2つのセッション(接続)を使って、コミットしない場合にどのような動作になるかを確認してみましょう。

準備:テスト用テーブルの作成

まずは、テスト用のテーブルを作成します。

CREATE TABLE test_table (
  id NUMBER PRIMARY KEY,
  name VARCHAR2(100)
);

セッション1:データを挿入(コミットしない)

INSERT INTO test_table (id, name) VALUES (1, 'Alice');
-- まだ COMMIT はしない

この時点で、セッション1では次のようにデータが確認できます。

SELECT * FROM test_table;
-- 結果: 1, Alice

セッション2:同じテーブルを確認

別の接続(セッション2)で、同じテーブルを確認してみます。

SELECT * FROM test_table;
-- 結果: データは表示されない(0行)

セッション2では、セッション1がコミットしていないため、指定されたデータは見えません。

セッション1を終了(またはROLLBACK)

セッション1をEXIT や接続切断で終了すると、自動的にロールバックされます。つまり、セッション2で再度確認しても、データは存在しません。

SELECT * FROM test_table;
-- 結果: データは存在しない(0行)

このように、コミットしないままセッションを終了すると、変更内容はすべて取り消されてしまいます。特にSQL*Plusなどのツールでは、うっかり終了してしまわないよう注意が必要です。

よくある疑問と注意点

Oracleで「コミットしない」状態に関しては、初心者の方を中心に多くの疑問が寄せられます。ここでは、よくある質問とそのポイントを整理して解説します。

Q1. なぜ他のユーザーからは変更が見えないの?

Oracleでは「読み取り一貫性(Read Consistency)」という仕組みにより、他のセッションからはコミット済みのデータしか見えません。これは、トランザクション中のデータが確定するまで他の処理に影響を与えないようにするためです。これにより、安定したデータ読み取りが保証されます。

Q2. トランザクションを長く持ちすぎるとどうなる?

長時間コミットを行わないと、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • UNDO領域の圧迫(Oracleが過去のデータを保持し続けるため)
  • 他のセッションでロック待ちが発生
  • パフォーマンス劣化やデッドロックの原因に

特に大規模なシステムでは、長時間トランザクションを放置するのは非常に危険です。

Q3. PL/SQLで例外が発生したらどうなる?

PL/SQLブロック内でエラーが発生した場合、例外処理をしないとトランザクションはロールバックされます。逆に、EXCEPTION句で例外処理を書いた場合でも、ROLLBACKCOMMITを明示的に書かない限り、トランザクションは保留されたままとなります。制御の流れには注意が必要です。

まとめ

Oracleでは、データの変更は COMMIT を実行しない限り確定されず、他のユーザーからは見えないままとなります。また、セッションを終了すると自動的にロールバックが行われるため、コミットし忘れた変更はすべて取り消されてしまいます

このような挙動を正しく理解しておかないと、「データが更新されたと思っていたのに反映されていなかった」というトラブルにつながることもあります。

安全かつ効率的にデータベースを操作するためには、以下のポイントを意識することが重要です:

  • 必要に応じて明示的にCOMMITやROLLBACKを実行する
  • トランザクションはなるべく短く保つ
  • セッション終了時の自動ロールバックに注意する
  • DCLのように自動コミットが発生するコマンドもあると知っておく

「Oracle コミット しない場合」というテーマは、初心者にとって非常に大切な基本知識のひとつです。今回の記事を通じて、トランザクション管理の大切さを少しでも実感していただければ幸いです。

Oracle
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